1:29 12 2010

[:H290]



昨日、電車の中で蝋梅を見た。派手なところの無い初老の婦人が砂糖細工の優勝杯のように、大切そうに両手に抱えていた。新聞紙の間からも見事な枝ぶりが分かる。うぐいすの小さな胸のようなきれいな梅の花だった。さも大切そうに持っていたので、見事な蝋梅ですね、と感想を伝えたくなる。 結局話しかけることは出来なかったが、自分にとっての大切なものは何か? 問いを投げかけられたような、蝋梅と会話をしたような、不思議な時間だった。 一日中、この蝋梅との会話が頭に残った。